見れば見るほど好きになる ~単純接触効果のしくみ~
ドラマやアニメで、男女の幼なじみが大人になって恋人になるストーリーはよくありますよね。
あるいは現実でも、普段何気なく過ごすうちに、はじめは気にならなかった人のことをだんだん好きになった経験はありませんか?
これは、単純接触効果という現象で説明することができます。
今回はこの単純接触効果についてみていきましょう!
もくじ
たくさん見ると、好きになる
単純接触効果は別名、ザイアンスの法則と呼ばれています。
これは社会心理学者のロバート・ザイアンスが初めて明らかにした事実だからです。
ザイアンスは、まったく見知らぬ人の顔写真を見せて、その顔写真に対する好ましさを判断させる実験を行いました。
この実験では、実験参加者によって見せられる顔写真の回数が異なっていて、その見た回数によって、「好ましさ」が変化するかどうかを確かめたのです。
結果はもうご存じの通り、たくさん見た顔写真ほど、「好ましさ」は高いことが分かりました。
ザイアンスは文字であっても同じ現象が起こることを確認し、そのほかにも音楽や景色、図形や衣服など様々なものに単純接触効果が起こることを確かめました。
この現象は、広告が影響力をもつ理由としても挙げられます。
はじめはあまり印象に残らない商品でも、テレビやインターネットで何度も目にするうちに次第に欲しくなってくる感情は単純接触効果で説明することができるのです。
では、どうして単純接触効果がおこるのでしょうか?
準備=好ましい
これには「認知的流暢性の誤帰属」という説が一般的です。
簡単に言うと、例えば今日はじめてAさんという人に会ったとします。
そこで脳にはAさんに対する記憶(顔など)がつくられます。
すると次にAさんに会うときには、その記憶があるためにAさんを認識する準備ができていることになります。
この準備ができている状態を、脳が好ましいと判断して、結果Aさんのことが好ましく感じる、ということです。
仲が悪くても・・・
ただし、単純接触効果が逆に作用する場合も知られています。
たとえば、面倒くさいと感じる動画サイトの広告であったり、居酒屋のキャッチを受けたときに、あなたはどう感じるでしょうか?
好ましいとは思わないでしょう。
すでに嫌いであったり、なにかモヤモヤする関係がすでにある場合は、協力してお互いに取り組む状況が大切です。
共通の問題、たとえば仕事であったり、文化祭の取り組みであったり…
こういった問題を解決することで、お互いの存在を認識して、尊重できる関係になることができます。
ぜひ前向きに取り組んでみてください!