セルフ・ハンディキャッピング~言い訳ばかりでは成長しない~
セルフ・ハンディキャッピングの解説とその向き合い方についてご紹介します!
もくじ
「今日のテスト、全然勉強してないよ」
あなたは学生時代、この言葉を耳にしたことはありませんでしたか?
勉強していないと言う割に、意外とテストの点数が高くて、嘘ばっかりと思うことがあったかもしれません。
実はこの発言のように、言い訳をして自分が不利な状況に見せることをセルフ・ハンディキャッピングと言います。
この行動は自分のプライド(自尊心)を保つための手段なのです。
実はプライドを保つ最高の手段
1978年、心理学者のスティーブン・バーグラスとエドワード・ジョーンズは次のような実験を行いました。
実験は参加者を二つのグループに分けて、知的作業とともに、薬を飲んでもらうというものです。
一方のグループには簡単な問題を、もう一方のグループには難しい問題を与えました。参加者が半分ほど解いたところで、「両方とも良くできています」という言葉とともに、2種類の薬を提示しました。それは「知的作用を促進させる薬」と「知的作用を抑制させる薬」です。
驚いたことに、難しい問題に取り組んでいたグループの参加者の多くは、「知的作用を抑制させる薬」を選んで服用しました。
これは、半分を解き終えた段階で、難しい問題を与えられた学生が「後半でも良い評価を得ることは難しい」と判断したからです。
つまり、現状の立場が悪くなく、自分に自信がないほど、わざと失敗の確率を高める工夫をして、失敗したときの言い訳を用意することが分かりました。
実はこのセルフ・ハンディキャッピングはプライドを保つ最高の手段であることが分かります。
例えばテストが始まる前に「昨日の夜、全然勉強してないんだよね」と言えば、 もし仮に失敗しても、「勉強してなかったから仕方がない」と言い訳して自分のプライドを維持することができます。
一方で、良い点数が取れたときは、「全然勉強してなかったのに、自分は才能があるのかも!」とさらにプライドを高く保つことができます。
まさにプライドを保つためにはいいことづくめですね。
言い訳はそこそこに
しかし、このセルフ・ハンディキャッピングに頼りすぎると、生活に支障がでることが分かっています。
言い訳をし続けて、失敗しても反省せずに過ごしている人は、失敗した理由やそこで自分に足りなかったことに気づきにくくなり、成長がどんどん遅くなってしまいます。
もちろん、「自分には才能がないのか…」と失敗に正面から向き合うことはとてもつらいことです。
なので、失敗したときに、最近言い訳しすぎていないかなと少しでも気がつけるようになると良いかもしれませんね。
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